公開日:2020.09.11

相続税申告を税理士に依頼するメリット・デメリット

相続税申告や確定申告など税金の申告は、すべて納税者本人が行うことが基本となっています。申告書には納税者が自身で作成できるように手引きも付いており、税務署も無料で相談に応じています。

しかしこのような環境の中でも、相続税申告は複雑であることから税理士へ依頼されるのが一般的であり、税理士に依頼した方が良いというのが通説となっています。

なぜ税理士に依頼した方が良いのでしょうか。今回はそのメリットとデメリットについてご紹介いたします。

1.相続税申告を税理士に依頼するメリット

税理士に依頼した方が良いといわれているだけあり、メリットは数多くあります。1つずつ詳しく紹介いたします。

1-1.時間を有効活用できる

家族が亡くなるとその遺族には、お葬式や法要、遺産分割などやらなければならないことが山ほど発生します。その中でさらに相続税申告のための時間を取るとなると、心や体力への負担は計り知れない程になってしまいます。

税理士に相続税申告関連のことを一任することで、相続から相続税申告までの限られた時間を他のことに有効活用することができます。

1-2.適切な財産評価ができる

相続税の計算はまず相続財産の評価から始まります。ここが最も難しく、時間を要するうえに誤りが発生しやすいところで、財産評価のミスによって相続税が数百万円変わることもあります。

特に土地の財産評価は税理士も頭を悩ませるほどでして、腕の見せ所であるともいえます。

1-3.適切な控除・特例が利用できる

相続税には納税者や財産の状況に応じて、相続税が軽減できる控除や特例が多数設けられており、税理士はどの控除や特例であれば使えるのか、どれが納税者にとって最も有利になるのかを1つずつ判断していきます。

例えば、土地には小規模宅地等の特例という評価額が最大で8割減額することができる制度がありますが、適用を受けられるかどうかの判断や手続きなど、税理士のアドバイスがなければ難しいのではないかと思います。

判断を誤ってしまった場合には、余分な相続税まで負担することになってしまいますので注意しなければなりません。

1-4.二次相続まで見据えた申告ができる

二次相続とは生存していた方の親が死亡した時の相続のことをいいます。例えば、両親のうち父が先に死亡した場合、父の相続が一次相続で母が二次相続になります。

一次相続では母に配偶者控除があることや、自宅に小規模宅地等の特例を適用できる場合が多いことから大きな相続税が発生しないケースが多いのですが、二次相続では配偶者控除は使えませんし、小規模宅地等の特例も使えない場合には多額の相続税が発生してしまう可能性があります。

納税者自身で申告する場合には、二次相続のことまで考慮して申告するというのは不可能に近いかと思います。

税理士は二次相続を考慮するのはもちろんのこと、二次相続で発生する相続税もある程度シミュレーションすることができますので、心積もりにもなります。

【関連記事】二次相続の相続税対策について

1-5.追徴課税を回避できる

税務調査で申告した相続税が少なかったことが判明した場合、追加分の相続税の他に延滞税や加算税のペナルティも支払わなければならなくなります。

税理士は最大限適正な申告をしますので、追徴課税が発生する可能性は低くなります。

追徴課税については、以下の関連記事をご確認みください。

【関連記事】相続税の時効と見つかった場合のペナルティ

1-6.税務調査の確率が下がる

相続税申告書の作成は難しく、納税者自身で作成した場合には誤りがある可能性が非常に高くなります。

税務署もそれが分かっていますので、申告書に税理士の署名がない申告については、ほぼ100%税務調査があると考えてください。

【関連記事】相続税の税務調査とは?

1-7.税務調査を任せられる

税務調査が入った場合に税理士が付いていると、税務署の調査官と納税者との間に入り適切な対応を取ることができます。

相続の税務調査では何気ない質問の中にも調査官の意図が隠れていることがありますが、一般の方が税務調査を受けることなど一生に1回あるかどうかの話ですので、それを見抜いて対応するなど不可能です。

また調査官は理論武装してきますので、専門知識のない納税者は言われるがままになってしまう可能性が高いです。

そこに税理士が入ることで納税者に不利な発言を防ぐことができ、対等に調査を進めていくことができるようになります。

2. 相続税申告を税理士に依頼するデメリット

メリットに比べると少ないですが、デメリットもありますのでご確認ください。

2-1.税理士報酬がかかる

税理士に依頼する場合の最も大きなデメリットになります。

相続税申告書を作成するためには数ヶ月の期間を要し、また税額が大きくなる分、申告する税理士の責任も大きくなりますので、税理士報酬も比例して高額になります。

相場といたしましては、遺産総額の0.51%程度とお考え下さい。遺産3億円の場合には、150300万円程度の税理士報酬がかかります。

ただ前項でご紹介しましたメリットの数々を忘れないでいただきたいと思います。

税理士に依頼することで得られる、節税額や追徴課税のリスク、申告後の税務調査への対応などを考慮しますと、税理士報酬を上回る利益がある場合も少なくありません

税理士報酬と相続税額、納税者の精神的体力的負担を総合的にご検討いただければと思います。

【関連記事】相続税申告にかかる税理士報酬

2-2.完璧な予測はできない

生前に相続税対策をした場合や、一次相続で二次相続の相続税対策をした場合には、税理士と話し合い、ありとあらゆるシミュレーションをしてベストな方法を選択するかと思います。

しかし税理士であっても相続開始日を予測することは不可能ですので、実際に発生した際には遺産総額が予測より少なかった、予定していた特例が廃止されてしまったなど、すべてがシミュレーション通りに進むことはあり得ません。

2-3.相続税に弱い税理士もいる

多くの税理士は個人事業主や法人を顧問先とする会計業務を中心としており、積極的に相続税を取り扱っていません。

年間50件以上の相続税申告をこなしているような相続税専門税理士と比較しますと、知識量に差が出るのが当然です。

依頼する税理士を誤ってしまいますと、節税をしてくれない、相場を超える高額な税理士報酬を請求された、税務調査には一切対応してくれないなど、かえって不利益を被る可能性があります。

3.税理士に依頼する判断基準

相続税申告は税理士に依頼した方が良いというのは分かるけれども、デメリットも考慮すると迷われるという方も多いかと思います。

最後に、税理士にできるだけ依頼した方が良いケースと、ご自身でチャレンジしてもリスクが低いケースの判断基準をご紹介します。

3-1.税理士に依頼した方が良いケース

遺産に土地がある

相続税申告書を作成する中で、最も時間と労力を要するのが財産評価です。特に土地がある場合には難易度が高く、計算を誤った時のリスクも高くなりますので、迷わず税理士へ依頼された方が良いかと思います。

遺産総額が高額

多額の遺産をお持ちの場合には、相続税額も比例して大きくなります。税率も高くなりますので、少しの計算ミスでも相続税額が数百万円変わる可能性があります。

また追徴課税が発生した場合の延滞税や加算税の金額も大きくなる可能性が高いです。

目安といたしましては、遺産総額が1億円を超えるような場合には税理士へ依頼し、適切な申告をされた方が良いかと思います。

3-2.ご自身で申告可能なケース

遺産に不動産がない

遺産に土地や家屋がない場合には、財産評価計算があるとしても比較的容易であり、税務署などへ相談しながら計算を進めていくことが可能です。

遺産総額が5000万円程度

遺産総額が5,000万円程度であれば、基礎控除を差し引いた残額は数千万円程度になりますので税率は低く、それほど大きな相続税は発生しませんので、追徴課税が発生した際のリスクも少なくなります。

ただし、税務調査にはご自身で対応しなければなりません。税理士によっては税務調査のみにでも対応しますので、利用されても良いかと思います。

相続税に強い税理士ならメリットのほうが大きい可能性

相続税申告を税理士へ依頼することにはメリットとデメリットがありますが、相続税に強い税理士へ依頼した場合には、メリットの方が大きくなる可能性が高いです。

相続税に強い税理士についてお知りになりたい方は、是非、以下の関連記事をお読みください。

【関連記事】相続税に強い税理士とは

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