上原note
2021.09.14

相続した借入金は金融機関との合意が大前提

相続対策として借入をして不動産を購入するという方法がとられます。不動産の相続税評価額は購入価額よりも低いですから相続税法上有利に働くというわけです。 

例えば、

被相続人父には2億円の現預金がありました。相続人は子供2AさんとBさんです。父が全額借入金で1億円のマンションを購入(相続税評価額が6000万円)を購入しました。父は遺言でマンションはAさんに相続させ、Bさんには現金で差額を公平にするよう遺言していました。

相続税法上の相続財産を計算してみると

  • ①不動産を購入しなかった場合には現預金2億円が相続財産です。
  • ②不動産を購入した場合には
    現預金2億円+不動産6000万-借入金1億円=相続財産16000万円
  •   となって不動産を購入した方が相続財産は減少することになります。

父の思惑通り相続税が減少してAさん、Bさんもほっとしたところです。

 

その後、AさんとBさんは遺言に従って相続をしました。この場合には不動産は相続税評価額ではなく時価の1億円で評価します。

 

  • Aさん・・・現預金1億円+不動産1億円-借入金負担1億円・・合計1億円
  • Bさん・・・現預金1億円

AさんBさん共に1億円の相続で公平に決着しました。

 

ところが数年後、Bさんのところに借入金返済の請求書が届きました。Aさんの経営する会社が資金繰りに窮し、マンションの借入金の返済ができなくなってしまったのです。Bさんにしてみれば、借入金はAさんが負担するものと、借入のあることさえ忘れていました。

 

調べてみると、父の借入金は民法上、相続人2人に引き継がれ、AさんBさんそれぞれ1/2の債務を負っていることがわかりました。相続税法上の相続とは異なります。

 

債権者の銀行としたら、貸付先が誰であるかは重要な問題です。Aさんの単独債務では債権者としては納得がいかなかったかもしれないのです。相続のときに、Aさんが銀行に対して免責的債務引受を行ってAさんだけが債務の承継者であることを銀行と合意していればこのようなことにはなりませんでした。

 

この結果、Bさんは仕方なく、1億円/25000万円分の借入金負担を強いられています。Aさんは行方知れずです。

借入金がある場合には、債務の承継を金融機関と合意しておきましょう。

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