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家族信託[事例: 9]

アパートを3人の兄弟で相続するには

相続人に関すること

父A 相続人は 長男B、次男C、三男D の3人

相続時の状況

父Aは高齢のため老人ホームに入っていますが判断能力は十分にあります。財産は現預金2000万円と100坪の土地とその上に建っている賃貸アパート1棟(土地建物で12000万円)です。自宅は離婚した妻に贈与しています。相続人は3人兄弟のB、C、Dでそれぞれに家庭を持ち自宅も購入しています。

父Aからの相談

Aは今後を考え、長男Bに現預金と賃貸不動産の管理を頼みたいと思っています。ただ、B一人に相続させるわけにもいかず賃貸アパートについては兄弟が1/3ずつ相続してほしいと思っています。1棟の賃貸アパートを区分することは難しく共有にならざるを得ないと思っていますが、果たしてそれでいいのか迷っています。

問題点の抽出提案

① Aは高齢になってきており判断能力が低下すると預金の引き出しなどができなくなる恐れがあります。

② 賃貸アパートの管理は不動産業者に依頼しているものの、修繕や、入退出契約など、早急に子供たちに引き継いだ方がいいと思われます。

③ 現預金の相続は各1/3にすることは容易であると思われます。

④ 賃貸アパートを共有にした場合、3人の意見が相違するとトラブルの原因となります。

⑤ そこで父Aを委託者=受益者、長男Bを受託者とする家族信託の利用を勧めました。

⑥ 現預金と賃貸アパートの管理運営をBに委託しAの存命中はAに収益が帰属する(父=受益者)こととし、A死亡後はB、C、D3人が各1/3の収益を収受(第2受益者)しますが、アパートの運営管理はBに委託したままとします。このようにすることで、Bの考えによってアパートを維持管理することができます。収入がB、C、D各1/3となって公平に相続することができるので弟のC、Dも納得してくれることと思います。

⑦ 将来アパートが老朽化した場合には、Bの判断によって信託契約を終了させるとともに、アパートの売却代金を3等分することになると思われます。

解決できた事項

① 共有による相続はトラブルのもとと言われますが、信託制度を活用した、この場合は、むしろスムーズに管理運営が行える一方、収益を公平に帰属させることができ効果的でした。

② アパートを3人の共有にした場合には賃貸契約、修繕のたびに3人の意見調整を図らなければならず煩雑であるとともに意見の不一致が予測されます。売却となればなおさらだと思われます。

③ 信託制度は耳慣れない制度であるため、委託者、受託者、受益者など理解しにくい部分があったようです。なるべくやさしい言葉遣いに気を付けました。Aのアパートの名義がBに変更されますが、形式的なものでAの所有であることに変わりがないことを十分に説明しました。

④ また、信託は税務上の節税にはならないことを説明するとともに、税務上の不利益にならないことにも気を配りました。所有権の移転にかかわる登記費用や銀行信託口口座開設、公正証書の作成などAの負担となる作業のあることもご理解いただきました。

⑤ 信託制度は煩雑な手続きが必要な反面効果も大きく、委託者の意に沿った活用を勧めたいと感じたところです。

解決事例カテゴリー
相続税申告事業承継遺言不動産対策家族信託相続トラブル
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