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相続トラブル[事例: 5]

相続開始後5年経ってから突然借入返済請求書がやってきた

相続人に関すること

被相続人父A 母死亡 長男B 次男C 相続人2人

相続時の状況

父Aは相続対策で8年前に賃貸マンション1億円(銀行ローン1億円)を購入しています。そのほかには自宅5,000万円 金融資産5,000万円の約2億円の資産があります。
Aは5年前に亡くなり、その時の話し合いで長男Bは自宅と金融資産を相続し、次男Cはローン付きの賃貸マンションを相続することで遺産分割がまとまりました。

相談者の質問

長男Bからの相談です。最近、次男Cの経営している会社の経営状況が苦しく、アパ-トローンを支払えない状態になっています。先日、借入先の金融機関から次男Cが引き継いだローンの返済が滞っているのでBに返済をしてほしいとの通知がありました。寝耳に水で困惑している状況です。

問題点の抽出提案

Bは父Aがマンション購入時に結んだ借入契約1億円の借入は次男Cが相続しているので自分には関係ないはずなのになぜ返済を迫られるのか、合点がいかない様子です。返済を回避できる方法はないのか悩んでいます。

① 1億円の借入契約は金融機関とAの間で結ばれていました。そのAの相続を機にA死亡時の借入はその相続人であるB、Cが共同で自動的に引き継がれることになります。民法第八百九十六条です。「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」金融機関にとって遺産分割したかどうかは関係ありません。

② 遺産分割協議があっても金融機関は2人に対して請求できますが、借入金返済はCが行うということで金融機関もそれ以上の手続きを勧めなかったようです。むしろ、その方が今回のようなときには金融機関に有利に働くからです。

③ Aの借入をC一人が引き継ぐのであれば、BはCに対し免責的債務引受(債権者に負っている債務を第三者が肩代わりし引き受けること)という手続きを要求してBから債務を完全に切り離させることが必要でした。もちろん、これには金融機関の承諾が必要です。

④ このような自体になり、BとしてはCの会社の決算書を見せてほしいとCに要求しました。Cは決算書と、C個人の確定申告を開示しました。その上で金融機関との話し合い、返済可能な金額まで毎月の返済額を引き下げてもらう交渉を行いました。これによりBからの返済は今のところなくできました。

④ 返済が滞っているCの現在の状況では、金融機関はCの免責的債務引受を認めません。将来Cの状況がさらに悪化すればBへの返済要求も生じてきます。Cの会社経営を少しでも良くするしかありません。幸いアパートの家賃は定期的に入ってくるのでありがたい存在です。会社を立ち直らせC単独で通常返済ができる状況を一日も早く作りたいと思っています。

解決できた事項

① 被相続人に債務がある場合には特に注意が必要です。相続が開始した瞬間に相続人全員が相続分に応じて債務を負っている認識が必要です。

② 債務が多額な場合には相続放棄を検討することも必要です。相続放棄は順位が後の相続人を発生させることになりますので次の相続人への配慮も必要です。

③ 皆さんから個人の相続の問題ばかりでなく、会社のことまでかかわってくれたとお礼をいただきました。このような場合、法人、個人をトータルで検討しないと解決手段が片手落ちになってしまいます。そのような見方をすることで漏れのない提案ができると考えています。

解決事例カテゴリー
相続税申告事業承継遺言不動産対策家族信託相続トラブル
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